東洋医学

西洋医学では病気になったところだけを治療します。「不調のところを修復すれば元通りになる」という考え方が土台にあります。

これに対し、東洋医学では人体をひとつの”自然”とみており、 体のどの部分もすべて互いに影響し合い、心もつながっていると考えます。
体のどの部分も全体と関係しており、病気を治すときも悪いところだけを対象にするのではなく、体全体を整えることを目指します。

つまり、西洋医学が病気だけを見るのに対し、東洋医学は病人全体を見るわけです。そのため西洋医学は”病気を治す医学”、 東洋医学は”病人を治す医学”ともいわれています。

実際に体の中はいろいろな内臓や器官が別々に働いているのではなく、全てつながっていて、心もつながっています。 ですから病気の悪いところだけを治そうとしても、きちんと治すことはできません。
それは、重い病気や難しい病気になるほどはっきりしてきます。

また、東洋医学では、体の健康を保つためには”気”と”血”を整えることが大切だと考えられています。 ”気”と”血”というのは生命活動のエネルギー源で、体内では”気”と”血”が絶えず経絡を循環し、いろいろな内臓や器官、筋肉などに送られてその働きを支えています。

※ ”気”が正常につくられて働いていれば”元気”ですが、”気”が不足したり異常になると自然治癒力や免疫力が落ちて”病気”になります。

未病治「未病を治す」

東洋医学では「未病治」という考え方があります。
病気ではないけれど体調が良くない、元気とは言い難いなどの時、身体や感情にはいろいろな徴候(サイン)が出ています。
そのサインを見極めて、症状が出たりひどくなったりする前に治療し、正常な状態に整えていくというものです。
そうすれば、ひどくなって治りにくかったり、治療に時間がかかったりということもなく 軽いうちに身体の不具合を治すことができます。