うつ病の方へ

うつ病の方へ
うつ病の治療例
2019.10.25

「うつ病なんですが、はりで治りますか?」というお問合わせをいただくことがよくあります。

どこからか鍼はうつ病に良いらしい、と聞いてのお問合わせです。

うつ病が治るとまでは考えられてなくても、ガチガチに固まった肩、頸を何とかしてほしい、とか夜中に何度も起きてしまう、とかといった愁訴が良くなればと考えて治療を検討されているというお電話です。

しかし、うつ病(うつに限らず、精神疾患全般)の方の特徴は動くまでが長い。

あれやこれやが決定できないし、「治療したら必ず治ります。」という確証が欲しい。

その確証が得られないので行動に二の足を踏んでしまうし、いざ何日の何時という約束の時間に動けるかどうかわからない。

精神疾患の方で治療が難しいのは治療(通院)が続かないことです。

大体、1、2回の治療で来られなくなります。

続かない理由はその日の体調が朝起きてみないとわからないので予約をしても行けるかどうかわからない。予約した日をいったんキャンセルしたものの、次いつ行けるかどうかわからないので結局なし崩し的に鍼灸治療を断念されてしまいます。

あるいは1回の治療で劇的に変わらなかったからという理由もあると推測します。もちろん、苦しいのですぐに何とかしてほしいという気持ちはものすごくわかるのですが、往々にしてこちらが重症だと思う方に限ってすぐに結果を求められます。

そして、鍼の治療を受けようかという患者さんはほぼ全員の方がもう既に心療内科とか精神科などに行かれて数種類のお薬を服用されています。そして、良くなるための薬を飲んでいるにも関わらず、良くなっていない。それなのに数年も病院に通い続けられています。あるいは何軒もドクターショッピングをされています。

中には飲んでいる薬によって余計ひどくなったという自覚がある方もいます。

薬は飲みたくないのだけれどこれしかない、と思いこんでいる方がほとんどです。

以前、このブログで「治りやすい人」 というタイトルで書いたように病の治癒には本人の治りたいという切実な思いと治療に対する意欲が重要です。

ですが、多くのうつ病患者さんと他の疾患の患者さんの大きな違いは判断力と意志力の差にあります。

うつ病の患者さんの場合、長年飲んでいる薬で骨抜きにされていることが多い。つまり、まともな判断能力がなくなっています。治療の意欲は空回りします。それどころかさらに不安が増幅していて、ちょっとした不調や変化を必要以上に恐がられます。それ故、少しでも悪くなると結局、薬に依存していきます。(長年、薬を飲んで良くなっていないにも関わらず、病院や医者を頼って行くのです。)

また精神疾患の患者さんに特徴的なのは家族が介入してくること。
家の中に精神症状で悩んでいる人がいると家族としてはとっても心配。

それ故、精神科の受診を勧めたり、他の科に行っている場合、「先生(ドクター)がお薬(抗うつ剤とか睡眠薬とか・・・)を勧めてくれるんだから、飲んだ方がいいんじゃないの。」とか本人は飲みたくないと思っているにも関わらず、「飲んだら前より元気になったじゃないか。」とか、言われている方多いと思います。

さらに、鍼灸院に行って何言われたか知らないけれど、医者の方が信用できる。何しろ精神科の医者は専門家なんだから専門家に診てもらった方がいいに決まっているというのが世間の大多数です。

というわけで意を決して鍼灸院の門戸を叩いて来られた方が「薬を止めるなんて無理だよなー。」となり元の黙阿弥。

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「断薬のススメ」の著者、内海先生も言っているように、精神疾患の場合、他のガンや難病患者さんに比べ格段に手強いのだそうです。

何度も言っているように薬が病を治しているのではなく、症状を抑えている、麻痺させているだけなのです。根本的な治癒(治癒というのは本人の治ったという自覚があり、薬も通院も必要ない状態)を望むのであれば、自分(人間)の持っている自然治癒力を上げるしかないのです。

そのためには病に至った原因、たとえば仕事、人間関係、環境に無理はなかったか、食事は?生活習慣は?考え方の癖やマイナスの感情を長年抱え続けてなかったか?などなどよーく考えてみるといいです。そして場合によっては仕事を辞めることになるかもしれないし、家族と離れることもありです。

多くの精神疾患の方は現状を手放すことができません。

仕事は這ってでも行く、苦しい思いをしても生活の安定の方が大事なので、絶対に仕事は辞められない。家族間の精神的葛藤があるにも関わらず、同居を続ける。などなど。

現状を直視し、客観視できる思考と感情は茫洋とした心と身体ではできません。

とにかくうつ病の患者さんには「焦らないで。」そして「治療を続けてみて下さい。」と

言います。

予約通りに行けない日もあるかもしれませんが、今日なら行けそう、と思った時にご連絡していただいても構いません。

諦めないで。そして焦らないで。

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